葬儀はどうする?

「子孫に美田を残さず」とは、死んだ後に残された子供や親族達が、遺産相続で醜い争いを繰り広げないため、また、へたに財産を残すと、子供達が堕落してしまい逆効果になることへの予防策でもあったのでしょう。

刑事ドラマで取り上げるテーマの多くは、遺産相続にまつわる殺人事件です。自分が死んだとき、家は借家で葬儀代しか残っていないのであれば、遺産相続を巡っての争いも起きようがありません。

葬儀も同様で、これまで、葬儀は多くの参列者による一代イベントでした。

しかし、核家族化が進み、親戚との付き合いも希薄化するに伴い、家族だけによる「家族葬」が登場し、さらに、葬儀を一切行うことなく、直接火葬場に移送する「直葬」なるものが登場しました。

高齢化社会を迎え、葬儀をしても人は集まらず、葬儀で迷惑をかけたくないと考える人も多なったことから、葬儀が簡素化していくのは必然なのでしょう。

そして今日、おひとりさま世帯の増加に伴い、見栄や世間体、過去のしがらみから解放され、自由な最期を迎えたいという気持ちから、葬儀はしない、墓もいらない、遺骨は火葬場で処分、あるいは散骨してもらうという考え方も出てきているようです。

葬儀をしなければ葬儀代や戒名も不要ですし、墓や仏壇もなければ、遺骨の埋葬場所に悩む必要もなければ、墓を守っていく負担から解放されるのです。

でも、だれにも知らせず、葬儀もせず、墓もいらないと言っても、死後の後始末は、結局は残された側が行うのですから、残された人がやりたいようにするのも一つの方法かもしれません。

立体墓地の種類