中国の代表的な漢方生薬と言えば、冬虫夏草でしょう。特に、歴代王朝では、強壮・精力増強、疲労回復、諸病治癒、不老長寿に効果があるとして、常に珍重されてきました。
冬虫夏草には、肺と腎を強める働きがあるため、肺気腫や喘息の根本治療によく使われています。
また、冬虫夏草に含まれるβ-グルカン(多糖体)は、アガリスク茸の17倍、普通のキノコの約170倍と多量に含まれています。
その他、亜鉛、セレン他のミネラル類・天然アミノ酸他のタンパク質など栄養成分の含有量も豊富で、コルジセピンや抗酸化酵素（S.O.D）なども含んでおり、中高年全般の健康維持にも効果を発揮します。
さらに、冬虫夏草は免疫力を高め、壊れた細胞を修復する力が強いことが最近の研究で解ってきております。
また、昔から精力増強にも効果があるといわれており、しかも、早く効果が現れるのが特徴で、普段まったく元気のない人が、一回飲んだだけで翌朝男性自身が元気になっていたなどはよく聞く話です。
だた、ここで注意が必要なのは、冬虫夏草といえばどれも同じではないと言うことです。
冬虫夏草の品質は産地、成熟度などによって大きな差があります。日本に輸入されている冬虫夏草は、四川省や雲南省産が多いのですが、ランクの低い未成熟なものが多く、有効成分が余りない冬虫夏草が多いのです。
最も薬効が高い冬虫夏草は、チベット産のものといわれていますが、採取量は僅かしかなく、日本で良質のチベット産冬虫夏草を入手するのはきわめて困難なため、価格は１ｋｇ100万円もします。
最近は、タンクで人工的に培養された安価な冬虫夏草が手回っておりますが、これは、天然の冬虫夏草とは全く別物のただのキノコで、たいした効能もなく、漢方では認められておりません。
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