天佑神助か?大和君の生還

戦艦「大和」は、沖縄への出撃中に、米軍機の攻撃を受けて九州沖の海域で撃沈されてしまったが、同じ大和でも、北海道の田野岡「大和」君は、6日間を生き延びて生還した。

7歳の男の子が、5月28日夕、親に山中に置き去りされ、クマにも遭遇することなく、食べるものもなく、夜の厳しい寒さにも耐えて、6日間も生き延びたのは奇跡としか言いようがなく、これこそ、天佑神助と言うべきなのだろうか。

28日夕以降、警察、消防、自衛隊によって大規模な捜索が行われたにもかかわらず、発見することは出来なかった。

捜査が開始された頃、すでに、大和君は約5km離れた自衛隊演習場に向かって夜道を歩いており、捜索を行っている期間中は、廠舎の中に居たのだという。

演習場に付いたのは、夜8時頃だそうだが、照明のない真っ暗闇のなか、道を外れて藪の中に迷い込むことなく、しかも、クマに遭遇することもなく演習場にたどり着いた。鍵の掛かっていない廠舎を見つけ雨露が凌げた。廠舎内にマットがあり、これを利用することによって防寒対策ができた。廠舎の前に水道があり水分補給できた。28日朝、ミーティングのために鍵を開けた自衛隊員に発見された。

これだけでも、6つの偶然が重なっており、この偶然の内、どれ一つ欠けていても、無事な生還は叶わなかったであろう。

この演習場は捜索対象から外されていたそうだが、子供だから、そんなに遠くまで行っていないだろうと、甘く見たのが裏目に出たのだろうか。

大和君本人から直接話を聞くことが出来れば、その行動の詳細が明らかなるだろうが、恐るべき子供の行動力と判断力だ。

それにしても、言うことを聞かない子供を「しつける」のは難しいものだ。昔であれば、親に頭か尻を叩かれてそれでオシマイだったが、最近は、へたに叩くと虐待になりかねないから、非暴力で子供のイタズラをやめさせるためには、見せしめとして、短時間置き去りにして、反省させるしか方法がなかったのかなあ。今回は、親が子供にしつけられてしまった。